真逆の性格だから案外合うのかもねと、周囲から少々驚かれながらも、私たち夫婦は結婚した。感性や価値観が同じだと、人生を一緒に歩んでいくには都合がいいとは思うが、うちのように色々真逆の意見を持ち合わせていると、色々な考え方が生まれてそれはそれで面白いと思う。化学反応のような考え方かもしれない。彼は割と強引だが私は自分が折れるという寛大さを持っている。私は慎重派で少々のろまなところがあるが、行動力のある彼に引っ張ってもらえるというメリットもある。なんだかんだ言って、持ちつ持たれつの夫婦だ。
中古で買ったマンションをリフォームして住むことになった。流行のリノベーションというやつだ。2人で様々な案を出し合い、だいたいは彼の希望を優先して、現在リフォームを進めている。自分の意見は押し通そうとするわりには、その後のチェックは人任せ。そもそも、思い付きで意見を言うようなところもあるので、自分のアイデアがきちんと実現されているか、確認などはする気もない夫だ。ここは譲れないと思った私の意見は、いったんは夫の意見に折れたフリをして、ちゃっかり業者さんに私の希望を伝え、進めてもらったりしている。
特に窓ガラスだが、夫に反対されても高級なガラスを窓に使おうと考えている。家の中で窓は、壁や床以上に重要な役割を果たす。現在入っている昔の薄い窓ガラスでは、外からの騒音だけじゃなく、戸外の寒さまで伝えてくる。少しの衝撃で割れてしまいかねないし、防犯性にも劣る。リフォームにかける費用は限られているが、他の部分を節約しても、窓ガラスの交換は、きちんとした材質のものを選び、しっかり済ませておいたほうが絶対にいいと思っている。割れてもいないのに交換する必要はないと夫は反対しているけれど、こっそり替えてしまっても多分彼にはわからないだろう。
丈夫で結露しにくい高機能の窓ガラスに交換することが、私の譲れない条件なのだ。